2021.08.02
入社25年(つまり四半世紀)以上のベテラン料理編集者3人が「うちごはん」について気ままに、赤裸々に語るリレー連載。個人的好み全開のオリジナルレシピのおまけつき。
この原稿を書いているのはオリンピックの開会式翌日。とにかく暑い……。そしてテレワークが続く毎日、朝昼晩何を作るか、何を食べるかを考えるのが若干辛くなってきました。とくに平日のお昼は悩みどころで、仕事の合間に台所に立つタイミングをはかりかねて、夕方まで何も食べなかったり、とにかく早くでき上がる冷やし中華が週に二度三度と登場したり……。ときどきお弁当を作って気分転換してみたり、お気に入りのお店のテイクアウトに頼ってみたりするものの、手詰まり感は否めません。
なんとかならないかな~と思っていたときに、ふと思い出したのが、魚缶(さば缶、さけ缶、いわし缶)を使ったレシピ本を企画した際に、料理家の柳瀬久美子さんに教えてもらった「冷や汁」仕立ての一品。いわしの蒲焼缶を使って作る冷や汁はとにかく早くでき上がるのに、すごく滋味深かったな~と、撮影時に初めて食べたときの記憶がぐわ~っとよみがえってきました。
撮影をしていたのはちょうど三年前の今ごろ。暑いし、忙しいしで、身も心もバテバテだった私にとって、香ばしいみそ&ごまの風味と青じそやみょうがのさわやか香りが食欲をそそる冷や汁は「力を取り戻すための元気のモト」になったんですよね。いわし缶を使うから、魚の下ごしらえには全く手間がかからないし、生おからを加えるからこその口当たりのよさがまた絶妙なんです。
ということで今回は、柳瀬さんから教えてもらったレシピを参考に、わが家の食卓になじむようにアレンジした「山田的冷や汁」を作ってみたという次第。作りたてもおいしいけれど、冷蔵庫でキーンと冷やしたものをあったかいご飯にかけて食べるのがまたいいんですよ。朝仕込んでおけば、心おきなくテレワークできるのもうれしいところ。だって、冷や汁をご飯にかけるだけですから、忙しいときにもささっと支度ができて気がラクなんです(笑)。お昼に食べきれなかったら、晩酌のシメにさらさらっといくのもいいし、なんなら二日酔い防止に、飲む前にさらさらもありかもしれません(笑)。
お気に入りのすり鉢とすりこ木。サイズ違いで買ったすり鉢は器としても大活躍。サラダを盛ったり、から揚げを盛ったり、ときにはそうめんを盛ったりもします。すりこ木は、祖母から譲り受けた思い出の品。これでごまをあたるたびに、祖母が作ってくれたきゅうりのごまみそあえの味を思い出します。
冷や汁の材料はこちら。オクラは板ずりしてさっとゆでてから切りました。でも、私はオクラのちょっとしたえぐみが嫌いじゃないので、時間がないときは板ずりだけして、ゆでなくてもいいと思ってます。オクラを下ゆでしなければ、火を使うことなくできますしね。このあたりはお好みで。
オレぺのレシピを世に送り出しつづけているベテラン料理編集者4人が、これまで出会ったレシピの中から好きなもの、忘れられないものを自ら作って、撮って、語ります。
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