2021.12.13
入社25年(つまり四半世紀)以上のベテラン料理編集者3人が「うちごはん」について気ままに、赤裸々に語るリレー連載。個人的好み全開のオリジナルレシピのおまけつき。
昔からなじみがあって嫌いでもなく、でも、それほど意識して使ってない食材ってありますよね。僕にとっては「のり」がそう。でも最近、そのおいしさを再発見し、すっかりハマってしまっています。前回「さんまののり風味春巻き」をご紹介しましたが、改めてあのメニューを作ったときに、「やっぱり、のりっておいしいな~」としみじみ感じ、ふだんの食事にものすごく多用するようになりました。スープに入れたり、炒飯にしたり、豚肉の野菜巻きを作るときにいっしょに巻いてみたり……。食べたときにふわっと磯の香りが鼻に抜けるんだけど、でも磯臭いわけではなく、なんというか、香りで料理のおいしさを底上げしてくれる感じがいいんですよね~(伝わりますかね、この感じ……)。もちろん、うまみもありますし、ホントに優秀な素材だな、と。
そんな「のり愛」が高まっている中、先日、友人から「うちにご飯を食べに来ない?」とお誘いを受けました。近くに住んでいることもあって、わりと頻繁に行き来して互いの家で食事(というか、飲みメインですが。笑)をする間柄なんですが、そういうときは何か一~二品作って持ち寄るのが定番。その日は急なお誘いだったこともあり、家にあるもので何か……と思ったところ、あったのが、ごぼうとエリンギ。これを、愛するのりと合わせてみたら、と思って作ってみたのが、今回のこのメニュー。思いつきで作ったわりにはかなり好評で、以来「のり梅あえ」は、自分の食事にも頻出するようになりました。
ところでのりといえば、子どもの頃、僕が住んでいた大阪では「味つけのり」が主流でした。おにぎりに巻くのも味つけのりが定番で、上京したとき、おにぎりののりに味がついていないことに衝撃を受けたものです。実家にいた頃はコンビニでおにぎりを買うという習慣がなかったし、大人になってからも、帰省してもわざわざコンビニおにぎりを買って食べる機会もないので知らなかったんですが、どうやら関西では味つけのりを使ったコンビニおにぎりもあるようで。今年の年末は、二年ぶりに帰省する予定なので、コンビニでおにぎりを買って食べてみるのを、楽しみの一つにしたいと思います。
のりは細かく砕いてみりんに浸し、形がなくなるくらいにするのがお気に入り。全体にのりがからんで、おいしくなる気がします。みりんはのりをしっとりさせるだけでなく、その甘みで梅干しの酸味や塩けをやわらげてくれる効果も。ちなみに梅干しの塩分で味がかなり変わるので、使う梅干しの味によって、分量は調整していただければと思います。
こちらは、「のり梅」を焼いた厚揚げにのせたもの。あえるだけじゃなく、こうしてのっけて食べるのもアリです。厚揚げだと完全に酒のつまみですが、焼いた鶏肉や切り身魚にのせれば、主菜としても成り立ちます。のりと梅干しの組み合わせ、けっこうどんな素材にも合う気がするので、これからいろいろ試してみたいと思います。
オレぺのレシピを世に送り出しつづけているベテラン料理編集者4人が、これまで出会ったレシピの中から好きなもの、忘れられないものを自ら作って、撮って、語ります。
各電子書籍ストアにて好評配信中!
記事検索
栄養バランスは1週間単位で考えればOK? ツジツマシアワセ生活、私たちが体験してみました!
第12回ジュニア料理選手権 トライアル部門レシピ
ローレルを使って「鶏胸肉のエスカベッシュ」
「子どもの健康を守れ!」の巻/漫画『果実戦隊〈スッパ隊〉5話』
料理をもっと楽しく簡単に! スープ作家・有賀薫さんに教わる「いい道具の選び方 」
「菌に立ち向かえ!」の巻/漫画『果実戦隊〈スッパ隊〉3話』
「とんカツをよみがえらせろ!」の巻/漫画『果実戦隊〈スッパ隊〉2話』
「変色を防止せよ!」の巻/漫画『果実戦隊〈スッパ隊〉4話』
「ジュースを救え!」の巻/漫画『果実戦隊〈スッパ隊〉1話』
第12回ジュニア料理選手権 開催!