2021.07.12
入社25年(つまり四半世紀)以上のベテラン料理編集者3人が「うちごはん」について気ままに、赤裸々に語るリレー連載。個人的好み全開のオリジナルレシピのおまけつき。
前回、今から十年以上前に企画、編集をした、野菜のおつまみしか載っていないレシピ本『今宵は野菜でほろ酔いおつまみ。』のことをご紹介しました。ついついほろ酔いではすまないレベルまで、飲んで酔っぱらってしまっていた三十代。「せめておつまみは体にいいものを……」という私の切実な気持ちが全編にあふれた思い出深い一冊です。
レシピの考案をお願いしたの佐藤幸男先生と大庭英子先生。お二人それぞれに、私の無理難題なリクエストをかなえるレシピをたくさん教えてくださったのですが、大庭先生のレシピには「参りました」とひざを打つこと多々。先生ご自身は、ほとんどお酒を飲まないというのに、なんでこんなにのん兵衛の気持ちが分かるのかしらと不思議になるほど、仕上がる料理がツボ、ツボ、ツボ、ツボ。仕事ゆえに撮影現場でビールが飲めないことが辛かったな~(笑)。
基本的に、一つの野菜でささっとでき上がる酒のつまみをリクエストしたせいもあって、この本の中の大庭先生のレシピはいつにも増して超シンプル。最小限の手間と最小限の調味料で野菜の持ち味を引き出す工夫がいっぱいで、計量が苦手なのん兵衛の私にはうれしいことしかない(涙)。ということでおのずとリピートしているメニューがいくつかあるわけですが、前回紹介した「にらとたこのごま油ジュッ」と同じくらい気に入っているのがこちら。
長いもをすりおろしてホワイトソース的な使い方をするレシピは結構あると思うんですが、長いもに加えるのはマヨネーズ、塩、こしょうだけという潔さが最高! チーズも使わないので、いざ作り始めて「あっ、ピザ用チーズきらしてる」なんて残念なことになることもありません。先生のレシピでは、帆立貝柱を使っているところを私はちくわで代用。お財布にやさしいだけでなく、ちくわの塩けがいい仕事をして、またぐっとお酒がすすむ味わいになるんですよね、これが。オーブントースターで焼くので、火を使わずにできるのも、これからの季節、いいんじゃないかな~と思います。アツアツのグラタンとビールを交互にやるのがまたいいんですよね~。あ~、ビール飲みたいっ(笑)!
すりおろした長いもに加えるのはマヨネーズと塩、こしょうのみ。これを混ぜ合わせるだけで、ソースは完成。こんなにシンプルなのに、なんともいえないこくのある味わいで、焼くともっちりとした食感になって、おいしいんですよ、これが。
先生のレシピでは、とくに青みなどは散らしていないのですが、私は気分でねぎの小口切りや刻んだパセリを散らしたりします。お酒がすすむと、ちょっとしょうゆをたらしたり、一味、七味を散らして味変することも。これがまたおいしくて、さらにお酒がすすむという(汗)。
オレぺのレシピを世に送り出しつづけているベテラン料理編集者4人が、これまで出会ったレシピの中から好きなもの、忘れられないものを自ら作って、撮って、語ります。
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