入社25年(つまり四半世紀)以上のベテラン料理編集者3人が「うちごはん」について気ままに、赤裸々に語るリレー連載。個人的好み全開のオリジナルレシピのおまけつき。
突然ですが、私には妹が一人います。年齢が二つしか離れていないこともあり、一番身近なライバル?として、幼い頃はケンカ三昧。あまりに激しいケンカをするもので、一緒に暮らしていた祖母があきれ返り、「じょんならんで(どうにもならないとういこと・うどん県の方言)」と、母にこぼしていたことを懐かしく思い出します。
高校生くらいになると、キャラの違いがより鮮明になり、ケンカをする機会もめっきり減って、込み入って話をした記憶は皆無。友達が多く、社交的な妹に対して、一人黙々と大相撲中継に見入り、「今日の取り組み」についての感想をまとめることが一番の楽しみだった私。話が合うはずがないですよね(笑)。
そんな妹との関係が、大人になってぐっと近づき、深まった最大の理由は「お酒」。大学入学を機に親元を離れ、別々に暮らし始めて三十年。ときには実家で、ときには居酒屋で、ときには新幹線の中で、そしてときにはお互いの家で……。二人とも父ゆずりののんべえぶりを発揮して、お酒を飲みながら「あ~でもない」「こ~でもない」と、いろいろなことを語り合ううちに、すっかり心がほどけて、胸の内を気兼ねなく打ち明けられる「大親友」になったように思います。
前置きが超長くなりましたが、今回の「セロリといかくんのポテチあえ」は、十年以上前に、妹の家に遊びに行ったときに出された酒の肴を、自分好みにアレンジしたお気に入り。妹がささっと作ってくれた、つまみのうまさに感激し、レシピを聞き出そうとしたものの「えー、切ってあえるだけ。レシピなんてない」と言われたことを昨日のことのように思い出します。実は妹も私と同じく計量が苦手。調味料の分量を問われて困惑する様子に「あ~、姉妹だな~。同じだな~」と、ニヤニヤしたっけな~。ここ一年ほどオンライン飲みしかできていない妹と、今度顔を合わせて飲むときは、ぜひこの一品を作ろうと思います。あ~、待ち遠しい。
実はセロリといかくんのあえものって、ネットでもさまざまなレシピを目にする人気メニュー。それぞれ、セロリの切り方や合わせる調味料にオリジナリティがあっておもしろいですが、私はセロリをできるだけ薄く切るのがこだわり。薄く切ったあと塩をして、少ししんなりさせたほうが、いかくんの食感とバランスがいいなって思います。
いかくんの塩けとうまみを生かせば、複雑な味つけをしなくてもおいしく仕上がるのがうれしい! 私の中ではいかくん同様、塩昆布やじゃこも、調味料として活用できる便利素材。ストックしておくと何かと重宝します。
オレぺのレシピを世に送り出しつづけているベテラン料理編集者4人が、これまで出会ったレシピの中から好きなもの、忘れられないものを自ら作って、撮って、語ります。
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