入社25年(つまり四半世紀)以上のベテラン料理編集者4人が「うちごはん」について気ままに、赤裸々に語るリレー連載。個人的好み全開のオリジナルレシピのおまけつき。
東京は新宿区に、二年先まで予約がとれないという中華の名店があります。小さいお店なんだけど、素材のよさを生かしたやさしくて自然なおいしさで大人気のお店です。料理は季節ごとに変わるおまかせのコースのみで、定番の水餃子以外は、何が出てくるか当日行ってみるまでわからないシステム。そのお店のメニューで、食べてみたいと思いつつ、一度も出会ったことがないものがあります。それが「さわらときゅうりの春巻き」。春のコースで出されているメニューのようで、ネットで見て以来、ず~~~っと気になってはいたものの、僕が予約をとれるのが、なぜかいつも夏か秋か冬。春の時期にとれたためしがないんです。人気店だけに、自分で日にちを選んで予約することが難しく、空いている日に入れるしかないので、しかたないんですが……。
じつは僕、さわらは魚の中でも三本の指に入るくらい大好き。そして、春巻きも自分であれこれ具をアレンジして頻繁に作るほど好きなメニュー。だからこそ食べてみたい料理なのですが、いかんせん、出会うことすらできない悲しい現実。ならば! いっそ自分で作っちゃおうと思い立ち、ネットで見た画像をたよりに生み出したのが、今回のレシピです。本物の味を知らないので比較のしようもないですが、これはこれで、自分的には満足できる味。人が来たときにもよく作りますが、けっこうご好評いただいております(笑)。
ちなみにさわらの旬って、関西で生まれ育った僕は春の印象が強いんですが、関東では産卵前の脂がのった冬も旬とされています。件のお店でも、ぜひさわらときゅうりの春巻き、冬にも出してくれないかな~。そして、僕の次の予約は、また春を通り越して夏なのでした(涙)。
春巻きってめんどくさそうって思われがちですが、この春巻きは具を生のまま包むので、意外に手軽。味つけも塩、しょうゆ、ごま油だけとシンプルなので、作るのが苦にならないところも気に入っています。ただ、きゅうりの種を取り除く手間だけは必須。水っぽくなってしまうので、縦半分に切ったら、小さめのスプーンでこそげるようにして取り除きます。
こちらは、そのお店の定番大人気メニュー、水餃子。小ぶりだけど、皮がもちもちで、あんはあっさりとした味つけなんだけど、これが絶品! 永遠に何個でも食べつづけられそうなおいしさです。あ~。早く食べたい……。
オレぺのレシピを世に送り出しつづけているベテラン料理編集者4人が、これまで出会ったレシピの中から好きなもの、忘れられないものを自ら作って、撮って、語ります。
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