入社25年(つまり四半世紀)以上のベテラン料理編集者3人が「うちごはん」について気ままに、赤裸々に語るリレー連載。個人的好み全開のオリジナルレシピのおまけつき。
お酒を飲むこと以外、これといった趣味のない私ですが、大学時代にはまって以来、興味を持ち続けていることが一つだけあります。それは「プロレス」。もっと厳密に言うと、つかず離れず、ずーっと見ている団体は「新日本プロレス」で、数年前から何度目かのマイブームの波がきて、会場にも足しげく通い始めました。とくにリングと客席の距離が近い後楽園ホールでの試合は見ごたえ十分。ビールをくいくい飲みながら、いわゆる「推し」の勝利を願い、ひたすら声援を送るひと時は、まさに至福の時間でした。
残念ながら、長引くコロナ禍の影響で、昨年以降会場に出向く機会は激減。今はもっぱら、ライブ配信される試合を自宅で観戦し、プロレス好きのもう一人(夫)と、ああでもない、こうでもないと、今後の展望について家庭内ミーティングを繰り返しているわけですが、ミーティング時に欠かせないのが「お酒」。会場で観戦するときと同じように、くいくいビールを飲みながらプロレスについて語る時間がとっても楽しいんですよね。
ということで、大事な試合がある日は、十分な量のお酒と、何かしらおつまみを用意して、万全の体制でテレビの前に座ることにしています。ところがあるとき、不覚にもつまみが足りなくなってしまい、冷蔵庫にあるものを総動員して作ったのが、このがんも風。確かそのときは、厚揚げをつぶし、刻んだちくわとねぎを混ぜて焼いたように思いますが、今回はまた思いつきで、チーズを細かく切って混ぜてみました。これがなかなかいい感じ。
表面をカリッと焼きつけている間に、チーズがとろりと溶け出して、その溶け出したチーズがまた香ばしくパリッと焼けたりするからたまりません(笑)。焼いている様子を見ているだけで、くいくいお酒がすすむとは、なんて罪作りな……。九月から十月にかけて、新日本プロレスは大事な試合が目白押し。がんも風をせっせと焼いて、ビールをくいくい飲みながら、おいしく、楽しく、プロレス観戦したいと思います。やるぞ、おーーーっ!
本来がんもどきは、豆腐の水けをしっかりときってからたねを作り、さらに揚げて仕上げる手間のかかる料理ですが、厚揚げを使えば水きりいらずで簡単に、がんもテイスト(汗)の一品ができ上がるのがうれしいところ。実はこれ、ある企画を担当したときに体得したテクニック。厚揚げの外側の茶色い部分は薄くそいで細かく刻み、たねに混ぜるのがポイント。こうすることでぐっと口当たりがよくなります。
ふっくらジューシーな食感に仕上げるため、小麦粉の分量を少なめにしているぶん、たねは若干ゆるめです。フライパンに並べてすぐにさわると形がくずれることがあるので、しばらくそのまま焼き、片面が固まったら、フライ返しでそっと上下を返すようにしてください。
オレぺのレシピを世に送り出しつづけているベテラン料理編集者4人が、これまで出会ったレシピの中から好きなもの、忘れられないものを自ら作って、撮って、語ります。
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