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2023.03.22
宮沢氷魚さんインタビュー「生々しさにこだわった作品。エゴイストという言葉の捉え方が変わりました」
ひらまつ ようこ/1958年、岡山県生まれ。東京女子大学卒業。世界各地を取材し、食文化や暮らしをテーマに執筆活動を行う。2006年『買えない味』(筑摩書房)でBunkamuraドゥマゴ文学賞受賞、12 年『野蛮な読書』(集英社)で講談社エッセイ賞受賞、22年『父のビスコ』(小学館)で読売文学賞受賞。『夜中にジャムを煮る』『おいしい日常』(新潮社)など著書多数。
人間を筋肉や脂肪から見る
おもしろさ。
知れば知るほど引き込まれる世界でした
ぬくもりのある明快な言葉で綴る著作が人気の平松洋子さん。
最新作は、スポーツと体をテーマに、食事や栄養にも言及した一冊です。
「体って、自分のものなのに思いどおりにならないという経験や感覚は、だれにでもありますよね。スポーツだけでなく、ダイエットのときとか。子どものころ、水泳をやっていて知ったのは、自分の意思に身体能力がついていかないもどかしさ。そんなもどかしさが今作の下敷きにあると思います」
完成まで何度も何度も原稿に手を入れたそう。「校正しながら、『あのときの言葉はこういう意味だったのか!』とわかったことも多かったです」。
体への疑問の答えを見つけるべく、平松さんが最初に訪ねたのは相撲部屋とプロレスラーの寮。
「力士はどうしてあれだけの体重と脂肪が必要なのか、ファンを魅了するプロレスラーの体つきはどうやってつくられるのか。ずっと不思議だったんですよね」
さらにサプリメント開発者、公認スポーツ栄養士など、アスリートをサポートする人たちも訪ねていきます。
「筋肉のポテンシャルってまだまだわからないことが多い。知れば知るほどおもしろくなり、取材が広がっていきました。体のメカニズムからスポーツを見ていくと、自分の体をのぞき込んでいくような感覚にもなってきて……」。
最近話題の「腸内フローラ」にも興味を持ち、その検査を敢行。顚末を七章に綴りました。
「いまは体や健康に関する情報があふれ、知らないうちに影響を受けてしまう時代。そのあたりも書きたくて。1万7000円しました(笑)。
でも何がわかるんだろうというワクワク感とか、専門家のコメントを聞いたときの気分とか、身をもってわかってよかったかな?
腸活という言葉には少し安直さも感じますが、言葉をきっかけに、自分の体は自分が食べたものがつくっているという意識になるのは大切なことだと思いますね」
今年の箱根駅伝を制した駒澤大学陸上競技部の寮母さんの話、一昨年の東京オリンピックの選手村食堂のフードロス対策、アスリートのメンタルなど、同時代を生きる者として私たちの胸に迫るエピソードも満載です。
「〈いま〉という時代を生きるアスリートやアスリートを支える人たちの記録としても残しておきたい。この5年間、そんな思いで取材をし、執筆しました」
週2 回の頻度でサウナに行くと話す平松さん。必ず持っていくのがこちらのサウナハット。一度使ったら、手放せなくなったそう。
「首まで守ってくれるデザインがよくて。ふだんは交感神経ばっかり使いがちなので、サウナではボ~ッと何も考えず、副交感神経を優位にさせています」。
力士、プロレスラー、プロスポーツ選手、オリンピック・パラリンピック選手などのトップアスリートと、公認スポーツ栄養士、サプリメント開発者、医師、体脂肪計開発チームなど多方面に取材し、アスリートの食と体の関係に迫ったルポ。あとがきに記された「スポーツは人生の縮図であり、よくも悪くも社会の縮図を背負う一面がある」の一文に深くうなずかされる力作。
平松洋子/2310円/新潮社
(『オレンジページ』2023年3月2日号より)
撮影/五十嵐 公 取材・文/待本里菜
⃝2023年1月現在の情報です。⃝商品の価格は、特に記載のない限り消費税込みの価格です。改定される場合もありますので、ご了承ください。
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