さまざまなジャンルで活躍している「あの人」にフィーチャー。今、向き合っていることや日々の暮らしなどについて語っていただきます。　インタビューの記事はこちらもチェック

松たか子さん「やると決めたら信じて疑わない。その役に、その人になっているから」

2025.02.27

俳優　松たか子さん

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俳優　松たか子さん

まつたかこ／1977年、東京都生まれ。94年、NHK大河ドラマ「花の乱」でテレビドラマ初出演。「ロングバケーション」や「HERO」シリーズ、「カルテット」「大豆田とわ子と三人の元夫」など話題のドラマに多数出演。「告白」「夢売るふたり」「小さいおうち」など映画の代表作も多数。「アナと雪の女王」シリーズではエルサの声を担当。舞台でも活躍し、歌手としての活動も行う。
松たか子 OFFICIAL WEBSITE

やると決めたら、信じて疑わない。
その役に、その人に、なっているから

「ぜひやらせていただきたいと思いましたが、ラブストーリーなので、私でいいんですか？　という気持ちもありました」

松たか子さんがそう話すのは、映画「ファーストキス 1ST KISS」について。今作では、亡き夫を救うために何度も15年前にタイムトラベルするという主役・硯（すずり）カンナを演じています。

脚本は数々の人気ドラマを生み出してきた坂元裕二さん。松さんが坂元作品に参加するのは4回目になります。

「今回演じていて、過去の出演作で別の役のだれかが言っていたことがあったなとか、思い出すことがあったんです。坂元さんは、やっぱりこういう言葉やお話を書きたいんだろうな、と。そう考えたら、４回目だからといって違うことをやろうとしなくてもいいんだと、楽な気持ちになれました」

過去に坂元作品で主役を担いながら、積み重ねてきたものがあるからこそ感じ取れることがあったのでしょう。

一方で、監督の塚原あゆ子さんとは初めてのお仕事。

「坂元さんの本をベースにさまざまなアイディアを盛り込むかたで、本当に楽しい現場でした。監督は発想が止まらないっていう感じなんです。私はそれを聞いて演じていたので、うまく混ざっていればいいなと思います」

また、演じる際には「疑うことをしない」とも続けます。

「その役をやると決めたら、違うなとか、わからないなと思うことはないんです。その人になる、こうなんだ、と信じきります」

カンナは、離婚寸前だった夫のために何度も現在と過去を行き来し、考えうるあらゆることを試しながら、無我夢中で未来を変えようと奮闘しつづけます。

「カンナは落ち着こうとしない人。彼が好きという気持ちにまっすぐだからこそ、あわただしいですよね。でも、たしかに大人になるってそれほど落ち着くわけでもないのかなとも思うんです」

どんな役も、せりふも、演出も、すべてを受け入れのみ込んで、演じていく。作品が終わってもなお、あわただしいカンナがどこかで生きていると感じられるほど魅力的なのは、そんな松さんの姿勢があってこそなのです。

松たか子さんイチオシ！

朝いちばんのちょこちょこ掃除

拭く活、やってます！

映画やドラマ、歌手活動と多忙な松さんが、日々の暮らしのなかで幸せを感じるのは「朝の掃除の時間」だと言います。「まだ家族が起きてこない朝に、窓を開けてお香をたきながら拭き掃除をするのが好きなんです。黙々と無心でやっている時間が幸せ。ちょこちょこ掃除をして、朝に家を動かしていく感じがするのがよくて。きれい好きとかではなく、むしろ、掃除がすんだきれいな部屋で過ごせたらどんなに幸せだろうと思って早4～5年（笑）。SNSで『拭く活』しているかたを見て、いいなと思って。ちょこちょこ掃除を続けていれば、大掃除をしなくてすむと信じています」。

これに注目！

「ファーストキス 1ST KISS」

2月7日（金）より公開
出演／松たか子、松村北斗、吉岡里帆、森七菜、リリー・フランキーほか
脚本／坂元裕二
監督／塚原あゆ子
配給／東宝

映画「花束みたいな恋をした」の脚本家・坂元裕二と「ラストマイル」の監督・塚原あゆ子がタッグを組んだラブストーリー。15年間の夫婦生活のすえに倦怠期だった夫を事故で亡くした硯カンナが、ふとしたことからタイムトラベルができるように。出会う直前の夫との再会から、自身の気持ちや彼の人生に向き合いながら未来を変えようと奮闘する。