料理好き、そして玉子好きな小説家の井上荒野さんが、気楽に作れておいしい、「目玉焼きのせ」料理を紹介する連載エッセイ。今回のひと皿は、秋の味覚のしいたけとバターじょうゆの香りが食欲をそそる「しいたけライスに目玉焼きのせ」です。
長野は今、きのこの季節。私たちが滞在する別荘地内でも、知識さえあれば、食用きのこが豊富に収穫できるらしい。
去年の今頃、夫と散歩をしていたら、行き逢った上品そうな老婦人に指南され、ジゴボウというきのこをいくつか見つけたことがあった。ソテーにして食べたらとてもおいしかったのだけれど、一年経ってジゴボウの見分けかたは覚束なくなってしまい、画像検索などして似たようなきのこを採って食べるという勇気は出ない(敷地内にはもちろん毒きのこも生えているわけなので)。結局のところ、ジゴボウとよりもあの老婦人とが、貴重な出会いだったということだろう。
というわけで今回はしいたけライス。「ごはん」ではなく「ライス」としたのは、バターを使っているから。子供の頃、熱々のごはんにバターひとかけとしょうゆを少々垂らしてかき込む「バターしょうゆごはん」というのが好きだったのだが、何となくそれを思い出しながら作った。あえて肉やハムは入れず、しいたけだけをどっさり使い、でもちょっとさびしいから目玉焼きをのせる。きのこに油を合わせると、肉っぽい存在感になるし、しいたけ好きなひとは気に入ると思います。でもじつは、やっぱりまだちょっとさびしいかなと思って、スープに肉を入れてしまった(肉好き!)。
ゲラ読みに付き合い中
稲束が並ぶ田んぼ
今期から薪ストーブを
導入しました
撮影/三原久明
文・写真・料理/井上荒野 構成/掛川ゆり
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