こんにちは。オレンジページnet編集長のHと申します。今回は、8月25日(水)に開催される
「レトロを楽しむ 純喫茶のクラシカルメニューをフルコースで♪」のイベントに絡めまして、ちょっと好きなことをお話させていただきますね。
ス〇バ、ド〇-ル、等々、「ひと休みしてコーヒーを」なんて場所は町なかに溢れていますが、私が長年推しつつ愛しつつ通っているのが、他ならぬ
『純喫茶』なのであります。

赤いベロア地の貼られたソファ、大理石の天板のテーブル、そして灰皿。そう、昭和の時代には町に何軒もあった、しかしながら時とともに廃業する名店も増えている『純喫茶』。そここそが、私の憩いの場所なのです。
「純喫茶愛をぜひ語りませんか?」と編集部員に声をかけられ、真っ先に思いついたのがここ、東京・有楽町の東京交通会館ビルの地下にある
『純喫茶 ローヤル』。1965年、交通会館の開館と同時にオープンしたこのお店、なんと創業56年目!

半世紀以上に渡って営業を続けてきたにも関わず、店内はいたって清潔、ほどよくゴージャス、さらにフロアを歩き回る店員さんはみな男性(!)。喫茶店といえばウェイトレスを思い浮かべますが、ローヤルのスタッフはみな男の人、ウェイターです。
その理由を、支配人である野山 弘さんにお伺いしました。

「意外と力仕事が多いからね。トレイを二つも三つも両腕で運んだり。結局、男性ばかりになっちゃった」。
「お待たせしました」
心地よい低音の声とともにコーヒーをテーブルに置き、さりげなく伝票を滑らせる。その洗練された仕事ぶりは、長年に渡って受け継がれてきたローヤルスタッフの伝統なのです。
二度のピンチを乗り越えて、今がある「いやあ、でもここ数年は厳しいね。お客さん、減っちゃって」
明るい口調で話す野山さんですが、ローヤルの長い歴史の中では、
大きな二度のピンチがありました。
ひとつは、1991年までは有楽町にあった東京都庁の移転。昼時ともなると都庁の職員で満席になるほどだったお客さんたちがいなくなってしまいました。
「平日はもう無理だったから、土日に銀ブラしてる家族やカップルに的を絞って。それまではトーストやサンドウィッチくらいしかなかった軽食メニューにナポリタンやカレーを加えて」

支配人として数々の工夫を凝らし、お店を維持してきた野山さん。
二度目のピンチは最近のこと。そう、2020年4月より施行された、受動喫煙対策の全面義務化、そして「コロナ」です。テーブルにアクリル板を立て、喫煙ブースを設置。2020年春の緊急事態宣言発出時は、二か月間、お店を閉めたそう。それから一年以上。コロナ禍の収束が見えない今、ローヤル二度目のピンチはまだ続いているとも言えます。
「でもね、いいこともあるのよ、最近は」
野山さんの声が心なしか弾みます。
「若い女性の間で
『純喫茶ブーム』みたいなのが、ここ数年起きてるみたいでね。来てくれたお客さんが、写真を撮って
SNSに上げてくれるの。それを見た人が、また来てくれる」
昭和、平成、そして令和と、有楽町の憩いの場としてお店を構え続けた『ローヤル』。これからも色々な人を迎え入れて、おいしいコーヒーを提供し続けます。
「あのさ、」
と野山さんは最後に語ってくれました。

「こういうお店って、町に必要だと思うんだよ。チェーン店もいいけど、お客さんをもてなす、って、なんていうのかなあ、
ぬくもり? それって純喫茶にしかないからさ」
東京・有楽町に行くことがあれば、ぜひ『ローヤル』へ。
少数精鋭、7名の男性スタッフの方々の
「いらっしゃいませ」
というぬくもりある一言が、あなたを出迎えてくれます。
●純喫茶 ローヤル
03-3214-9043
東京都千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館 B1F
8:00~18:30 土日祝祭11:00~18:30(コロナ禍の状況により変更の可能性あり)
定休日 交通会館 休館日
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お知らせオレンジページでは、『
偏愛FOOD Weeks』と題して、8月20日(金)~31日(火)の期間、様々な「偏愛」をテーマしたイベントを開催いたします。
8月25日(水)は、「レトロを楽しむ 純喫茶のクラシカルメニューをフルコースで♪」。
昭和レトロをキーワードに、純喫茶ならではのメニューを再現します。
くわしくはこちら>>>**********************************************************************