3月12日は雨の中、日本武道館へ。「オーバーザサン 私たちのレッドカーペット」を見に行ってきました。TBSラジオのポッドキャスト番組「ジェーン・スーと堀井美香の『OVER THE SUN』」(毎週金曜17時ごろ配信)のイベントで、客席は約8000人のリスナー(「互助会員」と呼ばれています)で満員に。
スーさん、美香さんとほぼほぼ同年代のわたくし(編集・春日)も、いわずと知れた互助会員。仕事や介護に疲れたり、気持ちが行き詰まったりすると、まるで駆け込み寺のように「オーバーザサン」を聴いているのでした。「オーバーザサン」のイベントに参加するのは今回が初でしたが、キャッチコピーにある「大人の悪ふざけ」を、笑って泣いて、存分に堪能しました。

ピンクの華やかな衣装を身にまとったふたりの登場に、会場はヒートアップ。僕がまず感心したのが、おふたりそれぞれの歌のパフォーマンスです。スーさんは、15歳のころに書いたという「新宿」をテーマにした詩にメロディをつけ、クラシックギターの伴奏で味わい深く歌い上げます。そして、美香さんは白いドレスに衣装チェンジし、「マイウェイ」を熱唱。ふだんは高音の美香さんですが、野太い低音ボイスが新鮮で声量もあり、プロ顔負けの歌声にハッとさせられました。
また、ラジオブースに見立てたセットでは、いつもの番組のようにリスナーからのメールを読むコーナーも。さまざまなつらい思いを経験しながらも、なんとか乗り越えて今の自分がいる、といったメッセージに思わず涙があふれました。

ふだんの「オーバーザサン」の番組内では、スーさんが冒頭に、「金曜日まで、よくぞたどり着きました」と1週間の日々にねぎらいの言葉をかけてくれるのですが、この日は「よくぞよくぞ、武道館までたどり着きました、頑張ったね」と、観客のこれまでの人生へのねぎらいの言葉があり、ふたたびの涙。さらに、「どんなときも『私なんて』と思わなくていい」、というスーさんの言葉も心にしみました。「オーバーザサン」を聴いていると、こんなふうに心がほぐれる感覚を味わえたり、気づきやエールをもらえることがあるんですよね。それが、こんなに大勢の互助会員がいることの理由なのだと思います。

エンディングは、美香さんが熱望したという、ベートーヴェン作「交響曲第9番」(歓喜の歌)の大合唱。日常生活では、おなかから大きな声を出すことってあまりないので、思いのほか心身がすっきりしました。
そういえば、客席には「オーバーザサン」のネーム入りの赤い紙袋が置かれていました。中には、まるで引き出物のように、名だたる協賛企業からのおみやげがぎっしり。赤い紙袋自体も互助会員としてはうれしいプレゼント。これはなかなか捨てられそうにありません。

スーさん、美香さんには、過去にそれぞれ取材したことがあり、スーさんには『オレンジページ』のインタビュー連載「気になるあの人」に、美香さんには、「気になるあの人」だけでなく、「老後の4K」という連載の回答者としてもご登場いただきました。実際にお会いして、おふたりともとても素敵な人だなと思っていましたが、今回のイベントでますますファンになりました。そして、このイベントは、明日からの自分への栄養補給になったような気がします。
「オーバーザサン」を聴いたことがない人のなかには、どうしてこんなに盛り上がっているのか、何がいいのか、あまりピンと来ていない人もいるかと思います。まずは試しにポッドキャストで番組を聴いていただければと。また、「オーバーザサン 私たちのレッドカーペット」の公演の模様は、U-NEXTやPIA LIVE STREAM、みるハコでアーカイブ配信(税込み3300円)をしているとのこと。詳しくは下記をチェックしてみてください。
↓
https://streaming-tickets.com/overthesun/
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