
2017.07.31
40代を過ぎると誰しも経験する老眼。近くの小さな文字が見えにくくなる老化現象ですが、これは老眼鏡などで適切に矯正すれば改善できるので、さほど心配ありません。
でも、目の老化についてはまだあまり知られていないことがあり、これを知らないとケガや事故につながることがあります。
それは、色を見分ける力(専門的には「色覚」といいます)。
色覚研究の第一人者、中京眼科の医学博士・市川一夫先生によると、色覚の低下は普通の視力検査ではチェックできず、ほとんどの人が自分では気づかないそうです。
そして残念なことに色を見分ける力は、加齢により誰でも確実に衰えるのです。
↓20歳の見え方
↓80歳の見え方
上の画像のガスの炎を見てください。もとの炎の大きさ自体は同じです。でも、若い人と高齢者では見え方がこんなに違うのです。
これは加齢とともに青い光を感じにくくなるからなのです。なぜこのような見え方が事故につながるのでしょう?
「着衣着火」による火災がその一例です。
自分では中火だと思っていたら、炎は鍋底からはみ出るほどの強火になっていて、コンロに立って調理しているときにエプロンや洋服の袖に火がつき火傷を負ったり、ボヤ騒ぎになるという事故です。
その被害者の多くが高齢者。一見不注意のように思えますが、実は鍋からはみ出した炎が見えていなかったことが原因なのです。
色覚の老化現象は止めることはできませんが、このことを知っていれば対策は講じられます。
コンロの火が中火に見えていても強火の可能性があることを認識していれば、このような事故は充分防ぐことができるからです。
色覚は20代から年々衰えていきます。
小雨がよく見えない。手をかざさないと雨が降っているかどうかわからなくなってきたというかたは、残念ですが、だいぶ色覚が衰えてきています。
高齢の親御さんがいらっしゃるかたは、思わぬ事故やケガから身を守るために、視力が悪くなくても、自分とは色の見え方が違ってことを知っておいてください。
イラスト/山村真代 文/編集部・越
(『おとなの健康』Vol.4(オレンジページ刊)より)
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