
2018.09.24
日本各地の風土と、暮らしの知恵で育まれてきた汁もの【郷土汁】。
最新号では郷土汁好きで、著書も出されている料理家・飛田和緒さんに、様々な郷土汁を教わっています。山形の秋の風物詩・いも煮や、大阪名物・肉吸いなど、メジャーどころはもちろん、あえてプッシュしたいのが「個性派郷土汁」。
まずはこちら。滋賀代表「泥亀(どんがめ)汁」。
泥亀とは、ズバリすっぽんのこと。汁にぷか~っと浮かぶなすを、すっぽんに見立てているんです。何でもかつて、日本中で商売をしていた近江商人が、夏バテ防止に食べていたそう。
作り方もとにかく簡単。ごま油で炒めたなすを、ごま風味のみそで煮るだけ!
ごま油と白すりごまをダブル使いしているから、こくがあって香ばしさ満点。なすのとろりとした食感も、たまらないんですよ~。さすが、商売上手で知られた近江商人が愛飲しただけのことはある。おいしくて合理的、納得の一椀でした。
続いてはこちら。秋田代表「鶏卵(けいらん)汁」。
精進料理の一種で、すまし汁に浮かんだお団子の中には……あんこ。
あんこと出汁って、え、どうなの? 合うの? って感じですよね。これが、合うんです!
あまからの極意とでも申しましょうか、この甘じょっぱさがミョ~にクセになり、それでいてどこか上品。実は飛田さんイチオシの一品です。
フィナーレはこちら。長野代表「たけのこ汁」。
高校時代を長野で過ごした、飛田さんにとっての【郷土汁】。北信濃で採れる細長い根曲り竹と、海なし県ならでは、さばの水煮を合わせた汁もの。さばのうまみが、みそ風味の汁に溶け出し、絶妙に白いご飯が進むんです~。
飛田さんのご実家では、じゃがいもを入れるのが定番。甘みとほどよいとろみがプラスされ、いっそうほっとする味わいに。お母様直伝の一椀は、まさにお腹の中からあったまるおいしさでした。
一概に郷土汁といっても、味わいも見た目も様々。皆さんの故郷の郷土汁は、どんな味ですか?
料理/飛田和緒 撮影/広瀬貴子 文/編集部・小柳
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