
2025.04.09
Xin chào!(ベトナム語でこんにちは) ベトナムの古都・フエに滞在中のマサ先生です。暮らして分かったベトナム事情を、毎回テーマを変えて紹介していきます! これからベトナムに旅行したいな、いつか行ってみたいなと考えている方のお役に立てばうれしいです。
前回、ベトナム風サンドイッチのバインミー(bánh mì)を紹介しましたが、もう一つ絶対に食べてほしいローカルグルメがコムビンザン(Cơm bình dân)。これはメニュー名ではなくローカル食堂のことで、安くてボリューム満点、ベトナムの家庭料理が楽しめるとなれば、行かない選択肢はない! 地元の人たちに混ざって庶民のグルメを堪能しましょう!
コムビンザンって?
コム(Cơm)は米や食事のこと。ビンザン(bình dân)は庶民という意味なので、まさに大衆めしを表す言葉。家庭料理がずらりと並び、好きなおかずを選んでご飯とともにワンプレートでいただく、ベトナム版のっけ飯の店。メインのおかずは肉、魚、卵、豆腐などバリエーション豊富で、店ごとにウリのメニューがある。単に「Cơm」と表記している店も。おかずが並べられたカウンターがあれば、コムビンザンだと思ってOK。
所狭しと並べられたおかずにテンションが上がる! 肉、魚介、卵、魚、豆腐と種類が豊富で、組み合わせを考えるだけでも楽しくなります。しかも茶色いおかずが中心で、米に合わないわけがないビジュアル。ラフにバットやボールに入れてあるのも、気取らない家庭料理という雰囲気でいいと思いませんか?
種類が多く日によってメニューが替わることもあるので、価格表はありません。ちょっと不安になりますが、大衆食堂ですからものすごく金額が高くなることはないので大丈夫です。肉のおかずに比べると、魚介類は少し高め。心配な場合は、最初にお金を見せて「この金額で」と示せば、お店の人は理解してくれるはず。都市によって物価が変わりますが、ローカルの店なら50,000~60,000ベトナムドン(300円~360円)あれば、ボリュームのある一皿を楽しめます。
どのおかずもおいしいのですが、私が愛してやまないのは肉詰め厚揚げの煮もの! 厚揚げはベトナムでもよく食べられる素材で、肉だねを詰めて煮る料理をよく見かけます。スーパーでも調理前の状態で売られているほどおなじみの存在。
肉だねにはきくらげが入っていることが多く、トマトで煮込むのが定番の一つ。意外かもしれませんが、ベトナムはトマトを使った料理が多いんです。トマトと魚醤のうまみが合わさり、ベトナムらしい味に仕上がっています。もちろんコム(米)との相性のよさは抜群!
揚げた骨つきの鶏肉もコムビンザンの代表。日本のものよりサイズが大きく、うまみも強い気がします。下味を漬けてから揚げるので、味しみしみ~♪
コムビンザンに行くときのポイントは2つ。
大衆食堂だけに、コムビンザンは街中に溢れています。どのお店に行こうか迷ったら、地元の人で混んでいる店に行くのが鉄則。そういう店は、必ず安くておいしいはずですから。
もう1つは、ゴールデンタイムをはずさないこと。ベトナム人は朝が早いため、それに伴って昼食や夕食も日本より早くとります。体感としては、ランチが11:00、ディナーは17:00が混雑のピーク。そのくらいの時間に行くと、おかずがたくさんあって出来立てを食べられることが多いのでおすすめ。
テイクアウトもOK。旅行中なら、公園や川沿いで食べたりするのもいいですね。お店で食べて、残った分を持ち帰ることもできますよ。
ローカル食堂に入るのは少しハードルが高いかもしれませんが、ベトナムの人はみなさん親切なので、言葉が分からなくてもていねいに案内してくれるはず。フォーや生春巻きなど日本人におなじみのメニュー以外にも、ベトナムにはまだまだ知られていない家庭料理がたくさんあります。現地でしか味わえないメニューをぜひコムビンザンで体験してみてください。
※価格(為替レート)は2025年4月現在のものです。あくまで目安として参考にしてください。
文・写真/マサ先生
記事検索