銭湯好き、サウナ好きなら、だれしもこのお顔を見ているはず。日本最大のサウナ検索サイト「サウナイキタイ」のモデルも務めているのが、タレントで女優の清水みさとさん。昨今のサウナブームが盛り上がる前からのサウナ好きで、毎日必ず足を運ぶというほどです。
このたび、そのサウナで起こる現象「ととのう」をテーマにした連載「
清水みさとの本日もトトノイマシタ!」がスタート! 「ととのう」がいったいどんな状態なのかは、清水さんの連載を読んでいただくとして……。サウナはもちろん、清水さんがこよなく愛する食や旅にまつわる話も「ととのう」にかけて、あれこれ紹介してくれる予定です。
今回は、その連載スタートに先駆けて特別インタビューを敢行。連載に向けての気持ちや大好きなサウナについてのお話を聞かせていただきます。
――まずは、連載のお話を聞いたときのお気持ちから、お聞かせください。純粋に、うれしかったです。ここ数年「書くこと」がすごく好きだなと実感しているので、書ける場所をいただけるのがありがたくて。もともと、本を読むことは大好きなんですが、特にエッセイを読むのが好きなんです。読んでいるうちに自分でも書いてみたいなという気持ちが出てきたかもしれません。
――どういうかたのエッセイがお好きですか?やっぱり向田邦子さんの作品が大好きです。ただ文章がうまいというだけじゃなく、ユーモアもあれば、どきりとする表現もあって夢中になります。あとは、小林聡美さんや片桐はいりさんの作品も好きですし、平野紗季子さんや、『オレンジページ』でも連載されているくどうれいんさんの文章も大好きで、よく読んでいます。
――すごくいろいろなかたの作品を読まれている印象です。本がお好きなんですね。毎日、必ず本は読むようにしていて。忙しくても時間をつくるようにしているんです。
――もしかして、お風呂に入りながら読んだりも?いやー、じつは、
家のお風呂ってほとんど入らないんですよ(笑)。だから、お風呂で読書はありません。いつもジムのサウナや、近くの銭湯に行っちゃうんです。
――そうか、そうですよね(笑)。サウナは一日に何度も行かれると聞きました。はい、今日も朝からサウナに入ってきました。朝6時に歩いてサウナに行って、夕方もまた別のサウナに行ったり。
毎日、朝晩の2回入ることが多いです。1時間あれば入れるので、仕事の合間でも、近くにあったらさっと行くこともあります。
――そもそもサウナにハマったのはいつからですか?大学生のころです。もともと食べることが大好きなうえに、新しい場所でできた友達とごはんに行ったりしているうちに、しっかり太ってしまって。ダイエット目的でジムに通いはじめたんです。そこにお風呂とサウナがあって、入るようになりました。最初は、サウナそのものに興味があったわけではないんですよ。
お風呂に入っているうちに、常連のおばちゃんたちと話すようになって、話の続きを聞きたくてサウナまでついていったんです(笑)。――常連のおばちゃんたちと話すということは、すでに清水さんも常連になっていたってことですね?はい、
ハマるとまっしぐらになっちゃうハマりっ子なので(笑)、ジムには毎日通っていました。授業終わりに行って、水中ウォーキングとかして、お風呂に入ってから家に帰るというルーティン。そうやって
毎日同じ時間に行っていると、おばちゃんたちと顔なじみになるんです。
そのころって、サウナに入る若い人ってほとんどいなかったせいか、珍しくてかわいがられたのかもしれません。おばちゃんたちって、明けっ広げに何でも話すんです(笑)。愚痴とか病気とかちょっと重い話もあっけらかんと話してくれるから、なんだかこちらの気持ちも楽なんですよね。
あと、
基本的に自分の話したいことを話す人ばっかりで、だれも相手の話を真剣に聞いてない(笑)。 だれかの話の途中でも、熱くなったらおかまいなくサウナから出てっちゃうし。そういう雰囲気もいいなーって。
――それぞれがマイペースで過ごしている感じ。いいですね。そうなんですよ。もともと人の話を聞くのは好きだったので、楽しい時間でした。ただ、いざ自分の話となると、何を話したらいいんだろうってちょっと緊張もしたんです。でも、おばちゃんたちのそういう気楽で適当な感じを見ていたら、コミュニケーションってこれくらいでもいいんだなって思うようになれました。
学生生活で新しく友達をつくるときって、どんな話をしたらいいのか悩みませんでしたか? 共通の話題を探すうちに、話すことがわからなくなったりして。一人でいるほうが気楽だって思うこともあったんです。でも、おばちゃんたちを見ていると、そんなこと気にしなくていいんだと思えて、
人とのつきあいを楽しめるようになりました。
――いいお話ですね。サウナのおばちゃんたちから、人とのつきあい方を知ったなんて。おすすめの映画を教えてくれるおばちゃんもいました。私、大学は映画科に通っていたんですが、全然映画を見ていない学生だったんですよ。先生にも頼むから見てくれって言われるくらい(笑)。
それが、サウナのおばちゃんのおすすめだと素直に見たくなったんですよね。教えてくれた映画、見たよって話もしたいし。そこから、どんどん映画の世界が広がっていったのもありがたかったです。
私の学生生活はサウナで形成されたなぁって思っています。――話を聞いていると、おばちゃんたちとのやりとりがすごく大切な時間だったように感じます。ほかにはどんないいことが?あとは、
むくみが取れることに気がついたんです。お風呂入って、サウナ入って、おばちゃんたちとしゃべってたら、なんか顔が半分になってる! みたいな(笑)。で、サウナってすごい! と。
気持ちいいし、楽しいし、むくみも取れるし、いいことしかない! 見つけちゃった、大発見だ! と。
――コミュニケーションから映画、さらには体調管理まで、サウナで学んだと! そこから、他のサウナにも足を運ぶようになったんですね。当時、学校からジムまで2時間半くらいかけて通っていたんです。ふと、その2時間半の間にもサウナがあるんじゃないか? って気がついて調べはじめました。今でこそたくさん情報はありますが、当時はサウナ好きなおじさんのブログしかなくて。それを読んで、他の場所にも行くようになりました。もともと、一人でどこにでも行けるタイプだし、もっといろいろなサウナを知りたいと思うようにもなったんです。
――清水さんにとって、サウナに通うことがとてもいいターニングポイントになったのがよくわかります。それがお仕事にもつながっているのがすごいですね。グラビアのお仕事をしていたころに趣味をきかれたんです。そこで「特にこれというものはないんですが、毎日サウナに行っています」と話したらおもしろがっていただけて。
漫画家のタナカカツキさん(漫画『サ道』の著者で、サウナブームの火つけ役)との対談のお仕事につながったのがサウナのお仕事の始まりでした。そこで
カツキさんに「ととのう」ということを教えてもらったんです。今まで気持ちいいと思っていたことは「ととのう」と表現するのか! と(笑)。
「これからサウナがブームになるだろうから通いつづけたらいい」とも言われて、さらに「サウナ・スパ健康アドバイザー」の資格があることも教えてもらったんですよ。で、すぐに資格を取ったら、サウナブームが来たという流れで……そこからいろいろなお仕事をいただくようになりました。
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好きなことに向き合っているうちに、サウナの道が開けていった清水さん。自然な流れのようですが、そこは清水さんの素直で人懐こい人柄あってのこと。サウナのおばちゃんたちにかわいがられたのも、サウナ好きをおもしろがってくれる人たちがいたことも、すべては彼女の力だと、屈託なく笑いながらあれこれ話してくれる姿から感じました。後編では、サウナ以外の好きなことに加え、2年前に結婚した夫で芸人の高橋茂雄さんとのお話もおききします。
>>後編に続く サウナを愛する・清水みさとさん。「わたしらしいととのえ方を伝えたい」【新連載記念インタビュー後編】
〈PROFILE〉
清水みさと(しみず・みさと)1992年、奈良県生まれ。タレント、女優。サウナ好きとして知られ、サウナ・スパプロフェッショナル、サウナ・スパ健康アドバイザーの資格を持つ。日本最大のサウナ検索サイト「サウナイキタイ」のモデル、フィンランドサウナアンバサダー、ラジオ「清水みさとの、サウナいこ?」(JFN21局/Spotify)のパーソナリティとしても活躍中。
Instagram:
@misatoshimizu35