「形くずれが心配」「洗い方がわからない」などの理由で、制服やスーツをクリーニングに出している家庭も多いのでは? とはいえクリーニングに出すと時間もお金もかかるし、家で洗いたい! と思うことってありますよね。
じつは、
「家庭洗濯可」の表示があるものなら、洗濯機でも洗えるんです!
ライオンお洗濯マイスターの大貫和泉さんに、失敗しない「制服のおうちクリーニング」の仕方を教えてもらいました。
まずは家で洗えるか「洗濯表示」をチェック!

上の「洗濯機で洗える」マークがあれば、洗濯機洗いOKです。マーク内の数字は洗濯液の上限温度、下線は洗濯の強さを示します(線が多いほど弱い力で洗う)。
型くずれしない「制服の洗い方・干し方」
(1)汚れ部分に洗剤を塗る

汚れやすい衿・そで・すそ、目立つしみには、おしゃれ着用洗剤を直接塗り、繊維にしみ込ませる。
(2)洗濯ネットに入れる
洗濯ネットの大きさに合わせてたたんで入れる。ゆとりがあると中で衣類が動いて形くずれの原因に。衣類どうしがこすれて生地が傷んだりしないよう、洗濯ネット1 枚に衣類1 枚が鉄則。
●ジャケット・ブレザー

ボタンをはずし、そでを前身ごろの上に重ねて内側に2つ折りに。
●スカート

ファスナーとボタンを閉め、ひだをそろえて2つ折りに。
●パンツ

ファスナーとボタンを閉め、すそが外側にくるよう蛇腹折りに。
(3)弱流水コースを選び、脱水時間を1 分に設定

洗濯機の「手洗いコース」「おしゃれ着コース」「ドライコース」「おうちクリーニングコース」などの弱水流コースを選んで脱水時間を1 分に設定。規定量のおしゃれ着用洗剤を入れて洗う。上下いっしょに洗う場合、重さのあるジャケットを下に置いて洗うと洗濯じわを防止できる。
CHECK!縦型洗濯機の場合、衣類が水に浮かないよう手で洗剤液にしっかり沈めてから洗濯を始めましょう。
(4)「タオルワザ」を駆使して干す
●ジャケット・ブレザー

ジャケットやブレザーは、厚みのある立体ハンガーにかけ、形を整えて陰干しする。ハンガーにタオルを巻いて厚みを出しても◎。フェイスタオルをハンガーにぐるぐると巻きつけるだけで立体ハンガーの完成!

ボタンを閉め、そでや身ごろを下にひっぱってしわをのばす。そで口に、巻いたタオルを入れると、重さでしわがのびる。
●パンツ・スカート

パンツとスカートはウエスト部分をピンチに留めて筒状に干すと早く乾く。
着用状況や季節などによっても異なりますが、毎日着る学生服は、月に1 回程度洗濯するのがおすすめだそう。
これから暑くなり、汗や汚れがますます気になる季節。「洗える表示」があったらぜひおうちクリーニングしてみませんか?
※洗濯の前に必ず衣服の洗濯表示を確認してください。洗剤は製品の表示に従い、色落ちが心配な場合は、目立たないところで試してから使用してください。
※手が荒れやすい人は、洗剤に触れる作業のときはゴム手袋を着用しましょう。
教えてくれたのは……
大貫和泉さん
ライオンお洗濯マイスター。消費生活アドバイザー、繊維製品品質管理士、健康予防管理専門士。洗濯用洗剤などの製品開発・調査に約20 年携わる。2 児の母親としての経験と長年の研究活動を融合し、日々の洗濯に役立つ情報を発信中。
(
『オレンジページ』2024年5月17日号より)
関連記事
型くずれしない!縮まない!冬物ニットの洗い方3つのポイント失敗しない『ダウンジャケットの洗い方』