2021.05.31
入社25年(つまり四半世紀)以上のベテラン料理編集者3人が「うちごはん」について気ままに、赤裸々に語るリレー連載。個人的好み全開のオリジナルレシピのおまけつき。
今年は各地で異例の早さで梅雨入り。またじめじめとした季節がやってきますね……。この時期になると自然と体がさっぱりしたものを欲し、作りたくなるのがメキシコ料理の定番、サルサ。トマトや玉ねぎ、ピーマン、パクチーなどをみじん切りにし、レモンやライムの果汁と塩であえるだけのソースです。火を使わなくていいし、柑橘のさわやかな酸味や野菜のフレッシュ感が、湿度の高い梅雨時や暑い夏に食べると、体がすっきり、シャキッとする気がするんですよね。
もともとは、入社まもない頃にとある料理家さんから教えてもらったメニューなんですが、年月を経て、材料のバランスや味つけなど、自分好みの味になるレシピに変わってきました。いちばん大きいのが、このメニューの主役ともいえるトマト。あるとき仕事でトマトのことをあれこれ調べていたら、茨城県ですごく糖度の高いフルーツトマトが作られていることを知り、「このトマトでサルサを作ってみたい!」という欲にかられ、さっそくお取り寄せ。届いたトマトは、フルーツトマトなのに大玉で、色が濃い! 赤というよりも「深紅」という言葉がしっくりくるほど。持ってみると身がしっかりしていて重みもあり、これはおいしいに違いないと確信しました。
うきうきしながらさっそくサルサを作ってみると、これが大正解! それまで作っていたものは、どちらかというと酸味が立っている感じだったのが、格段にうまみが強く、こくがある味わいに。さすが高糖度! とはいえ甘いだけじゃなく、トマトならではの酸味もちゃんと感じられます。身がしっかりしているのでくずれにくく、色が濃いので、見た目も鮮やかなサルサに仕上がりました。
ちなみにこのフルーツトマトは、茨城県のNKKアグリドリームさんのスーパーフルーツトマト「てるて姫」。糖度が九度以上の大玉で、そのまま食べると甘みがしっかり感じられて、まるごとかじりつくのもお気に入りです(笑)。
こちらがスーパーフルーツトマト「てるて姫」。栽培時に与える水分量などを緻密に管理することで、糖度が高く大玉のフルーツトマトになるのだとか。取り寄せてから3~4日、室温に置いておくと、どんどん色が濃くなって酸が抜け、味が熟成されて食べごろに。
サルサは、トルティーヤチップスやバゲットにのせてビールのアテにするのはもちろん、いろんな料理に使えるのも魅力。冷蔵庫で3日間くらいは日もちするので、いつもつい多めに作っちゃいます。写真はめかじきのソテーにかけたものですが、冷しゃぶや蒸し鶏なんかにかけても◎。これからの季節なら、そうめんにかけるのもおすすめです。
オレぺのレシピを世に送り出しつづけているベテラン料理編集者4人が、これまで出会ったレシピの中から好きなもの、忘れられないものを自ら作って、撮って、語ります。
各電子書籍ストアにて好評配信中!
記事検索
ローレルを使って「鶏胸肉のエスカベッシュ」
「変色を防止せよ!」の巻/漫画『果実戦隊〈スッパ隊〉4話』
「とんカツをよみがえらせろ!」の巻/漫画『果実戦隊〈スッパ隊〉2話』
「子どもの健康を守れ!」の巻/漫画『果実戦隊〈スッパ隊〉5話』
栄養バランスは1週間単位で考えればOK? ツジツマシアワセ生活、私たちが体験してみました!
「ジュースを救え!」の巻/漫画『果実戦隊〈スッパ隊〉1話』
料理をもっと楽しく簡単に! スープ作家・有賀薫さんに教わる「いい道具の選び方 」
第12回ジュニア料理選手権 トライアル部門レシピ
「菌に立ち向かえ!」の巻/漫画『果実戦隊〈スッパ隊〉3話』
第12回ジュニア料理選手権 開催!