2023.08.07
「安くておいしい本格町中華! 私はエビチリと回鍋肉をよく食べた思い出が! 今回の記事になったので、また改めて足を運びたいと思いました。酒寄さんも思い出せて本当に良かった」
前回、あんりちゃんから新宿のお店を紹介してもらったとき、そこから新宿のごはん屋さんの話になりました。新宿にはよしもと本社があるので近くでごはんを食べることも多く、思い出深いお店も沢山あるのです。
私「新宿でいうと定食屋さんにガンバレルーヤと行ったとき面白かったな」
田辺さん 「ああ、面白かったね」
私と田辺さんがまだコンビだった時代(ぼる塾はあんりちゃんとはるちゃんのコンビ「しんぼる」と田辺さんと私のコンビ「猫塾」が合体して出来たカルテットです)、女芸人ガンバレルーヤ(まひるちゃんとよしこちゃんのコンビ)と一緒にライブをやっていました。ユニットコントの稽古をすることもあり、その日は稽古の前に腹ごしらえをしようと本社近くの定食屋さんに行きました。
まひるちゃん 「お腹すごく空いてるからごはん大盛りにする!」
私「ここは普通盛りでもごはんの量多いよ」
よしこちゃん「まーちゃん大丈夫? 私も大盛りにしちゃうから手伝えないよ」
まひるちゃん「大丈夫。食べられる」
しかし、ごはん大盛り(練習終わりのラグビー部員が喜ぶ量)はやはり多く、まひるちゃんは頑張ったものの途中で「もう食べられない……」と泣きそうになっていました。よしこちゃんが「仕方ないね!」と自分のごはん大盛りを食べ終わった後にまひるちゃんの残したごはんを食べてあげていたのですが、かなりきつそうでした。
私「手伝おうか?」
私はごはんを普通盛りにしていたので協力を提案しました。しかし、よしこちゃんは「ありがとう!大丈夫よ!」とひとりで食べることを選びました。ですが、よしこちゃんは辛そうです。そのとき田辺さんが、
田辺さん「ごはんだけ食べるのってきついよね。おかず分けてあげようか?」
よしこちゃん「助かる! ありがとう!」
なんと、正解は一緒にごはんを食べてあげるのではなく、おかずを分けてあげることだったのです! 田辺さんからおかずを分けてもらったよしこちゃんはスムーズにごはんを完食していました。
あんりちゃん「何度聞いてもハートフルな話ですね」
はるちゃん「私もガンバレルーヤさんとごはん行きたい!」
田辺さん「私は酒寄さんと行った中華も印象に残ってるわ。本社近くの」
私「盛田さん(ワラバランスさんというコンビの先輩芸人)と行ったところ?」
田辺さん「違うよ。二人で行ったところよ」
私「田辺さんと二人で本社近くで中華食べたっけ? 牛丼じゃなくて?」
田辺さん「食べたよ」
私「いや食べてないよ」
田辺さん「食べたよ!」
私「食べてない! ジャンボ(レインボーというコンビの同期の芸人)と行った店を私と行った店だと勘違いしてるんだよ!」
田辺さん「いや! ジャンボじゃなくて酒寄さんと行ってるよ! 何度も行ってるよ!」
私「行ってない!」
私と田辺さんはこのとき普通に会話していたつもりだったのですが、あんりちゃんからすると突然年上二人がくだらないことで大ゲンカを始めたように見えたそうです。その後もあんりちゃんとはるちゃんに見守られながら「行った」「行ってない」を何ラリーも続け、
田辺さん「何であんた忘れちゃったのよ! 徹夜ネタ見せ前行ったよ!」
私「行ってないよ! ジャンボとの記憶だよ!(まだ言っている)」
田辺さん「酒寄さんと行ったよ! ほら、トイレが特殊だった!」
私「トイレが特殊? ……思い出した! 行ったわ!」
私は田辺さんの「トイレが特殊」という言葉で一気に記憶が蘇りました。
私「あの店か!金城武さんの映画に出てきそうな店! 金城武さんがアジトにしてそうな店!」
田辺さん「そうそう! 金城武さんのアジトの店!」
※そんな映画はありません。あくまでも私と田辺さんだけのイメージです
私「思い出したよ! お店のおばあちゃんに何故か私と田辺さんがおもちゃもらった店だよね!」
田辺さん「そうそう! おもちゃもらった店!」
あんりちゃん「解決して良かった……二人が喧嘩を始めたとき、なんで私は新宿のピザの話をしちゃったんだろうって後悔していました……私が新宿の話をしなかったら二人はケンカしなかったのにって」
私「いや、ケンカなんかしてないよ」
田辺さん「そうよ。ケンカじゃないわ」
あんりちゃん「いや、めちゃくちゃケンカでしたよ」
はるちゃん「トイレが特殊って変わったお店なんですか?」
私「なんか、店内が本場っぽいお店だったよね」
田辺さん「そうそう、最初入るときちょっと勇気がいったわ」
そのお店は一見入りづらそうな外見で、入ってみると円卓があったり、まるで本場の中国の食堂ような雰囲気のお店でした。
田辺さん「でも、お店の人も別に怖くないし、ボリューム満点でおいしいし、普通に行くようになったんだよね」
私「そうそう、何回も行ったよね。私回鍋肉よく食べてたよ」
あんりちゃん「酒寄さん、なんでそんなお店を忘れてたんですか」
私「本当だよね」
田辺さん「思い出してくれて良かったよ。あのトイレを忘れたなんて言わせないよ」
はるちゃん「そんな特殊なトイレなんですか?」
田辺さん「うん。別におかしくはないんだけど、特殊」
はるちゃん「?」
田辺さん「口ではうまく説明できないのよ。行ったらわかる」
私はこのやりとりによって久しぶりにあのお店の回鍋肉が食べたくなり、本社で用事があった日に行くことを決めました。
そして当日。用事が終わってすぐに私はお店へと向かいました。
私「わー! この店だ! この感じだ!」
外見は通っていた当時と全く変わっていませんでした。店内に入り、私はラッキーなことに八人掛けの円卓の席に(恐らく相席用)一人で座ることになりました。メニューを見るとさらに記憶が蘇ってきました。
私(このメニューの紙! 記憶がある! というか私この席で田辺さんといっしょに食べたよ!)
今週の定食であるひき肉と玉子炒めを注文する人が多く、とても気になりましたが、初志貫徹で昔よく食べた回鍋肉定食を注文しました。
お店の人「お待たせしました~」
運ばれてきた回鍋肉定食は見た目から嬉しいボリュームです。中華の定食につく卵スープとザーサイの小鉢って何でこんなに嬉しいんですかね?
私「いただきます!」
回鍋肉は熱々で甘めの味付けです。野菜はタレがしっかり絡んで、お肉に負けない食べ応えがあります。キャベツはシャキシャキですが柔らかい葉の部分はタレを纏ってくったりしていて、どちらも結果ごはんが進みます。
私(おいしい! 野菜を苦手な人が克服するのに一番最適な食べ物って回鍋肉なのでは?!)
豚肉は結構厚みがあり、野菜に負けないぜという肉のプライドを感じます。そんな豚肉とご飯を一緒に口の中に入れると肉と米にしか出せない幸せが広がります。
私(ごはんもおかずも多いと思ったけど、これは余裕で完食できる)
セットのサラダにはスパゲッティが入っていて、なんだか微笑ましくなりました。
私(肉も野菜もかなり多いけど、それにしてもこのタレの量がすごい! これで後二人前くらい作れちゃうんじゃない? それを惜しげもなく私の一皿に使ってくれるなんて……ありがとう)
私は回鍋肉のタレが多いと元気になる体質なので、お店の人に心から感謝しました。
私(懐かしい……本当に食べ物で記憶って蘇るなぁ)
田辺さんとコンビ時代、私たちはこの席で確かにいっしょに回鍋肉定食を食べていました。これから徹夜のネタ見せで、その前にパワーを注入するためにここでがっつり食べていました。これから初めて人前で見せるネタに何と言われるか、私はごはんを食べながらいつもドキドキしていました。
当時の私「面白くないって言われたらどうしよう……」
当時の田辺さん「のんちゃん(私のこと)が作るネタは世界一面白いから大丈夫よ! それより回鍋肉って何でこんなおいしいんだろうね?」
私「ごちそうさまでした。……すみません、トイレ借りても良いですか?」
せっかくなので話題に出たトイレも利用し、私は思い出の店を後にしました。(あ、ちゃんとお金も払いましたよ!)
本当に自分でも何で忘れていたのかびっくりするくらい思い出もお腹もいっぱいになりました!
昔の自分たちに言ってあげたいです!
私「本当に回鍋肉って何でこんなにおいしいんだろうね?」
※後日、あんりちゃんに「あの日、酒寄さんが間違っていたのに田辺さんに謝っていないのでは?」と言われて気づき「ごめんね」と田辺さんに謝りました。あの日の田辺さんより今の田辺さんに言うべきことがありましたね!
これは猫塾(コンビ)時代の私たち。
撮影・文/酒寄希望
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