みなさんこんにちは。ぼる塾の酒寄です。
>>今までのおいしいもの紹介はこちらメンバーにおいしいものを紹介してもらうこの連載。今回のおいしいものはこちら!
3人から、揚子江菜館
代表して田辺さん
「あつあつたっぷりの中華で心も体も温まるよー! 神保町に来たらぜひ!」
■ まさに神保町って感じのお店
前回お伝えしたとおり、3月いっぱいでぼる塾は神保町よしもと漫才劇場を卒業することになりました。
田辺さん「何がいちばん寂しいかって神保町のおいしいものを今みたいに食べられなくなることだよ」3月のある日。劇場出番が終わり、わたしと田辺さんは少し遅めの昼ごはんを求めて神保町を歩いていました。
わたし「後輩に会えなくなることじゃないの?」田辺さん「後輩とは連絡とればいつだって会えるじゃない。別の劇場でも会えるし」わたし「神保町だって遊びに来ればいいよ」田辺さん「そうなんだけど! でも、今とまったく同じようにこの景色を見ることはできないでしょ」わたし「確かに。実家に住んでいたころに普通に歩いていた地元と、実家を出てからたまに遊びに行く地元ってやっぱりちょっと違うもんね」田辺さん「そんなことより昼ごはんどの店にする?」わたし「急に話ぶった切ってくるね」田辺さん「卒業まであとわずか。限られた中で神保町グルメを堪能しなきゃ!!」田辺さんの言うことはもっともです。
田辺さん「まさに神保町って感じの店に行きたいね」わたし「それならずっと行きたかった揚子江菜館! まだ行けてないの!」以前から3人におススメされていたのですが、タイミングが合わず行くことができなかったのです。
田辺さん「そりゃ大変だ! あの店は行かなきゃ!」揚子江菜館は、創業明治39年の老舗中華料理店です。

外観から趣があり、京劇のお面をモチーフにしたお店のシンボルマークがとても印象的です。
店員さん「2階にどうぞ~」入店すると1階は満席で2階に案内されました。揚子江菜館はなんと5階まであるのです!
わたし「おお! 円卓がある!」田辺さん「中華料理店でこれ見るとテンション上がるよね!」2階にはあこがれの円卓がありました。小さなテーブルもあるので一人での食事から大人数まで幅広く楽しめそうです。わたしたちは2人なので円卓はまた今度に。
田辺さん「ここは冷やし中華が有名だけど、どの料理もおいしいよ!」
こちらは
冷やし中華発祥の店ともいわれています。
昭和8年に誕生した元祖冷やし中華「五色涼拌麺」はメニューでもとびきりの魅力を放っています。田辺さん「でもね、酒寄さん絶対ひかれるだろうな~ってメニューがあるのよ」わたし「どれ?」田辺さん「これよ!」
そのメニューは名物焼きそばのコーナーにありました。
池波正太郎の大好物 上海式肉焼きそば(柔らかい)池波正太郎といえば、昭和の文豪でグルメとして知られています。彼の名前が食べ物に結びついているときの
パワーはドラゴンボールの悟空に匹敵します。わたし「これ気になってた! 1階とかお店の前でも大きく紹介されてたよね!」田辺さん「なんだ、気づいてたのね」
わたし「食べたことある?」田辺さん「それがまだないのよ。気になってはいるけど、食べたい料理がありすぎてたどり着けてないの」わたし「写真を見た感じだと見た目はシンプルだね」田辺さん「(柔らかい)ってわざわざ書いてあるのも気になるよ。ここの焼きそばは麺の堅さが選べるから池波正太郎は柔らかい派だったんだろうね」わたし「わたしこれにする!」田辺さん「そうしな! わたしは天津丼にする。店に向かっているときから天津丼の口だったの」そして料理を注文。待つ間は田辺さんが、
「ここの棒棒鶏もおいしかった!」
「牛肉とインゲン炒めもおいしかった!」「やっぱり焼売もつけるべきだったか!」

と、場を盛り上げてくれました。
店員さん「お待たせしました。『上海式肉焼きそば(柔らかい)』と『天津丼』です」こちらが池波正太郎の大好物
上海式肉焼きそば(柔らかい)です!
わたし「これが池波正太郎が愛した料理……!!」田辺さん「そしてわたしがずっと食べたかった天津丼……!!」
見た目は非常にシンプルです。具材である豚肉、玉ねぎ、もやし、きくらげは混ぜてあるのではなくどーんと麺の上にのっています。
豪快に見えますが、もやしがきちんと処理されており、ていねいさを感じました。そして大ボリューム!
わたし「いただきます!」初手で麺までたどり着けないので、まずは具材だけ食べてみました。正直、ひと口食べた瞬間に驚きました。
わたし「……これはなんだ?」わたしが知っているどの味にも当てはまらないのです。
味つけはしょうゆと塩だけだそうですが、非常に奥深い。しょうゆと塩と油だけでこんな味が作れるのでしょうか?
田辺さん「どうしたの?」わたし「とてもシンプルな味つけなのにそれ以上の何かを感じる。とにかく深い」麺は細く、表面に焼き目がついています。水分量のいっさいない麺で、独特の食感があります。麺だけで食べると具材よりも薄味です。ですが、
麺だけで食べても非常においしい。具材といっしょに食べると泣きたくなるようなおいしさがあります。懐かしいともやさしいとも違う、上海式肉焼きそばの味。わたし「田辺さん! お願いだからこの焼きそばをちょっと食べてくれない?」田辺さん「最高のお願いね。お礼にわたしの天津丼もあげるよ」焼きそばを食べた瞬間、田辺さんは目を見開きました。
田辺さん「何これ……すっごくおいしい」わたし「シンプルなのにとんでもなくおいしいよね!」田辺さん「飾らない味なのに奥にいろんなものを感じる!」天津丼はしっかり味つけがされており、上海式肉焼きそばとは真逆ですがこちらもとてもおいしかったです。
わたし「天津丼もおいしいね!」田辺さん「まさに求める天津丼だよね。とっても甘くてとっても酸っぱい」わたし「とろみがお米に合う~」池波正太郎の大好物 上海式肉焼きそば(柔らかい)は、
まさに神保町のような食べ物だと思いました。
非常にシンプルで、でも奥が深い。わたし「卒業しても神保町に来ようよ。このお店にまた来たい」田辺さん「そうね。今度はあんりとはるちゃんとほかにもだれか誘って円卓で食べまくりましょう」焼きそばを見た瞬間は量の多さに驚きましたが、味わっているうちに完食していました。
わたしたちは神保町グルメを卒業しません! みなさんも池波正太郎とぼる塾酒寄が愛した上海式肉焼きそばをぜひ堪能してみてください! きっとみなさんも愛します!
ぼる塾 酒寄希望(さかより のぞみ)
お笑い芸人。1988年4 月16日生まれ・B 型。東京都出身。お笑いカルテット・ぼる塾のリーダー。1児の母。著書に『酒寄さんのぼる塾日記』『酒寄さんのぼる塾生活』(ヨシモトブックス)など。
今回登場したのは……
上海式肉焼きそば(柔らかい)
1380円(税込み)
天津丼
1930円(税込み)
SHOP DATA
揚子江菜館/ヨウスコウサイカンhttp://www.yosuko.com/
〒101-0051
東京都千代田区神田神保町1-11-3
営業時間 11:30~22:00(L.O. 21:30)
定休日 不定休
電話番号 03-3291-0218