みなさんこんにちは。ぼる塾の酒寄です。メンバーにおいしい物を教えてもらうこの連載も気づけば第5回! 今回はなんと海外に飛び出します!
第1回:カレーにも合うんだ明太子。執念の味・博多めんたいスパイスカレー第2回:博多移住も頭をよぎるおいしさ。串焼きも絶品「博多純情ラーメン」第3回・じつは元バイト先「神保町エチオピア」の野菜たっぷりカリー第4回・田辺さん絶賛の祝祭ごはん、「表参道・中華風家庭料理ふーみん」の納豆チャーハン田辺さんから
「シンガポールのパンダンケーキ」です!

最近、メンバーの田辺さんとはるちゃんがシンガポール旅行に行ってきました。旅先から写真やメッセージを送ってくれたのですが、彼女たちのワクワクが伝わってきて、見ている私も旅行をしているような楽しい気分になりました。
田辺さんは私の息子(3歳)が最近恐竜にハマっていることを知って、ユニバーサルスタジオシンガポールのジュラシックパークエリアから、恐竜の動画や写真ばかり大量に送ってくれました。

私(あれ、田辺さんがいるのってシンガポールじゃなくて白亜紀?)
そう思ってしまうほどの恐竜攻めでした。しかし、
田辺さん「みたらしちゃん(息子のあだ名)にお土産買ったよ! バンブルビーのステーショナリー!」
※バンブルビーはハリウッド映画「トランスフォーマー」に登場するロボットの名前です
お土産のチョイスには全く恐竜が関係しないところが田辺さんらしいなと思いました。そんな恐竜攻めだった田辺さんが、突然恐竜ではない画像を送ってきました。
田辺さん「パンダンケーキうますぎる!」
それは初めて聞く名前のケーキでした。緑色をしていて、私の頭は抹茶味を連想しました。
私「パンダン? 何それ?」
田辺さん「パンダンフレーバー! こっちにはパンダンって葉があって、暑い国にしかないらしい!」
私「葉っぱってことはお茶の味? 抹茶?」
田辺さん「全然違うよ!匂いはバニラみたいな香り」
私「日本に似た味ある?」
田辺さん「いや、似た味無いかも! これがおいしすぎたから他のお店のパンダンケーキも食べたんだけど、物によって食感が違う。どれもとてもおいしかったよ」
田辺さんは「タクシーの運転手はチャイナタウンにおいしいのがあるって言ってたよ」と、私が一番信頼している『タクシー運転手の情報』まで教えてくれました。
私「パンダンケーキって結局何?」
気になって調べると、パンダンケーキはシンガポールでは有名なローカルスイーツで、シンガポールやマレーシアを代表するケーキでした。ケーキの緑色を出しているのはパンダンリーフという植物で、その甘い香りから「東洋のバニラ」と言われ、シンガポールでは料理によく使われているそうです。因みにパンダンリーフが「東洋のバニラ」と言われていることを後で田辺さんに報告したところ、
田辺さん「私は『東洋のバニラ』って言われていることを知らないでバニラの香りって言ったのよ!すごい!流石私だね!」
と、自分の食レポに対してとても満足していました。話を戻します。パンダンリーフは色と香りづけに使用されるようで特徴的な味などは無いそうです。パンダンケーキについての情報を色々探しましたが、
【お土産におすすめ!絶対に食べるべき!バニラの甘い香りがする!】
などの情報は出てきましたが、味については、おいしいということ以外、
【説明しづらい、優しい、癖がない】
と、私の性格とほぼ同じような情報しか見つけることはできませんでした。
私「パンダンケーキ、どんな味がするんだろう」
私は全く味の想像がつかないパンダンケーキに思いを寄せました。私は昔から憧れの食べものがあるのですが、パンダンケーキは見事その仲間入りを果たしました。
憧れの食べ物は沢山あります……スヌーピーの「ピーナッツバターとジェリーサンドウィッチ」、魔女の宅急便の「ニシンとかぼちゃのパイ」、ハリーポッターの「バタービール」、フレンズの「フィービーのオートミールレーズンクッキー」、ムーミンの「ヤンソンさんの誘惑」、ハンチョウの「ミッシュマッシュ」……あげ出したらきりがありません。
以前、初めてルートビアを飲んだ時、「バタービールの味だ!」と勝手に思い、私のなかで【バタービール=ルートビア】になっています。ハリーポッターのバタービールはユニバーサルスタジオジャパンのハリーポッターエリアに行けば飲めることは知っていますが、まだ飲んだことはありません。いつか本物のバタービールを飲んだら全然違う味に戸惑うのかもしれません。
私「パンダンケーキはきっととびっきりおいしくて食べたら思わず笑顔になってスキップしちゃうんだろうな」
私はパンダンケーキのことを考えすぎて、動物のパンダを見て、「パンダってパンダンケーキに名前が似てる」と、新しいパンダの捉えかたに気がついたり、眠っている時も「あら、パンダンケーキ! なんだ~、カルディに売ってたんだ~!」と、自分に都合のいい夢まで見るようになってしまいました。
私は無事に帰国した田辺さんに、「あれからずっとパンダンケーキのことを考えている」と訴えました。すると田辺さんも「私もずっとパンダンケーキのことを考えてるよ」と、私と全く同じ気持ちで過ごしていたことが発覚しました。
知らないからこそ焦がれる思いもあれば、知ってしまったからこそ焦がれることもある。それは恋と同じなのかもしれません。すると、田辺さんは私に言いました。
田辺さん「パンダンケーキ、自分用のお土産に買ったの。ちょっと分けてあげようか?」
私「女神!!」
田辺さんってなんでこんなに良い人なのでしょうか? 本当に田辺さんの幸せを願うばかりです。田辺さんからパンダンケーキを分けてもらった私は彼女の幸せを願いながら早速袋を開けました。
私「ああ、甘いバニラの香りがする」
『東洋のバニラ』の香りを楽しんだ後、念願のひと口めをかじりました。
私「なんて優しい甘さ! これはしみじみおいしい」
見た目の緑色からは想像つかない優しい甘さで、とても素朴な味がしました。シフォンケーキや蒸しパンが好きな人は大好きな味だと思います。薄くクリームも塗られていたのですが、そのクリームも優しい味がして、私はとても穏やかな気持ちで食べ終えました。私は早速、田辺さんに感想の連絡をしました。
私「パンダンケーキすごく好きだわ。ありがとう」
田辺さん「美味しいよね! あげたやつは向こうのコンビニで買ったものだから、専門店のものもぜひ食べて欲しいよ。専門店のはとろける」
私「わー、食べてみたい。パンダンケーキって日本人も好きな味だと思う」
田辺さん「わかる。日本でも絶対に流行るよ」
私と田辺さんはパンダンケーキの控えめでシンプルな甘味は和菓子にも通じるものがあるのではないかと話し合いました。
私「でも、このケーキの味の説明が難しいのは食べたらわかった」
田辺さん「難しいよね! 優しくてどこか懐かしくて……何味って言ったら良いのか……」
私「シンガポールのおばあちゃんの味ってどう?」
田辺さん「それだ!」
決まりました、パンダンケーキはシンガポールのおばあちゃんの味です!(私たちが勝手に言ってるだけです)とても美味しいのでみなさんも機会があったらぜひ食べてみてください!

おまけ
シンガポール旅行中、田辺さんとタクシーの運転手さんが英語で話しているとき、田辺さんが「oh.I see!I see」と言ったら、はるちゃんが「何が美味しいんですか?」と聞いてきたそうです。

ぼる塾 酒寄希望(さかより のぞみ)
お笑い芸人。1988年4 月16日生まれ、B 型、東京都出身。お笑いカルテット・ぼる塾のリーダー。1児の母。著書に『酒寄さんのぼる塾日記』『酒寄さんのぼる塾生活』(ヨシモトブックス)など。
今回登場したのは……
〈シンガポール〉パンダンケーキ
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