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どうする?どうなる?老後の4K

53歳、優しかった夫の態度が激変。もしや夫も更年期障害?/おおたわ史絵さんがお答え

2025.04.22

超高齢社会を迎え、「人生100年時代」といわれる現代。
だからこそ、考えだしたら不安でたまらない、家族や自分の老後の生活。
各分野のスペシャリストが、そんなあなたの不安にそっと寄り添います。

今回のお悩み/健康

もしかして夫も更年期障害?
前とは違う夫の様子に戸惑っています。


53歳の私は、数年前からメンタルが安定しなかったり、ホットフラッシュに悩まされたり、まさに更年期まっただ中。一方で、3歳上の夫にも変化が。温厚でやさしい性格だったのに、最近はささいなことでイライラ・クヨクヨしたり、ときには声を荒らげたり。男性にも更年期があると聞いたので、もしかして男性更年期障害? お互い相手をいたわる心の余裕がなくなり、前よりケンカも増えました。夫にどのように接すればよいのでしょうか。
(53歳・女性)

おおたわ史絵さんの回答

相手を変えようと思わず、「自分がいかに楽しく過ごすか」に考え方をシフトしましょう。

ふきだし
お悩み回答者

おおたわ史絵さん

人間は生きていれば変化していくもの。「前と様子が違う」というだけで、男性更年期障害※1と決めつけないほうがいいと思います。もしかしたら、家族に言えない悩みや事情を抱えているのかもしれませんよね。奥さまも更年期でメンタルが不安定ということなので、ご主人の問題だけでなく、奥さま側の見方が変化した可能性も。心配な場合は、男性更年期の専門外来※2を受診する方法もありますが、ご主人が「医師に相談したい」と言わないかぎり、無理やり病院に連れていくようなことはむずかしいかもしれませんね。

今、奥さまにできることといえば、〈見守る〉こと。「前のようにやさしくしてほしい」と相手を責めたり、「どうしてこんなふうになったの?」とあれこれ詮索したりするのは、かえって夫婦仲をこじらせるだけです。ご主人には今までどおり接し、「おはよう」「おやすみ」「行ってらっしゃい」「おかえり」といった、日々の挨拶を笑顔でするだけで充分。ご主人の機嫌とは関係なく、そういった当たり前のことを毎日続けることが大切です。

奥さまは、ご主人のことよりもご自身が「どうしたら毎日楽しく過ごせるか」だけを考えるようにしてください。趣味に打ち込んだり、お友達と食事をしたり、一人で気晴らしに出かけたり……。遠すぎず近すぎずのちょうどよい距離を保っていたほうが、お互い気持ちがラク。結果、思いやる心や許す心も生まれてくると思いますよ。


※1 男性更年期障害
加齢に伴う男性ホルモン(テストステロン)の減少によって引き起こされる心身症状のことで、LOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群)とも呼ばれている。女性の更年期障害は、閉経の前後5年くらいの間に表れ、徐々に落ち着いてくるのに対し、男性の場合、40代以降どの年代でも起こり、終わりがはっきりしていないのが特徴。

※2 男性更年期外来
男性更年期障害の疑いがある場合、泌尿器科や内科の専門外来を受診するのが一般的。問診とともに、男性ホルモン値を調べるための血液検査を行う。治療には、男性ホルモン補充療法や漢方薬、生活習慣の改善などがある。

おおたわ史絵さん
総合内科専門医
法務省矯正局医師。大学病院、救命救急センター、地域開業医を経て現職。少年院、刑務所受刑者の診療に携わる、日本でも数少ない〈プリズン・ドクター〉。情報番組のコメンテーターとしても活躍中。近著は『プリズン・ドクター』(新潮新書)。

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『オレンジページ』2024年9月17日号より)

取材・文/太田順子 イラスト/松元まり子

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