

「わりと家にいるお父さん」だから家事も育児もフルコミット
編集・和田 西さんは父親として娘さん(取材時6歳)の面倒をよくみていらっしゃるのが漫画から伝わってきます。実際にご自身でも、子育てをよくしていると思われますか?
西さん(以下敬称略) 僕は家でできる仕事、奥さんは家ではできない仕事に就いている。結果的にですが、家にいる時間が長いのが僕だから自然と娘の面倒をみているという感じです。コロナ禍は妻がフルリモートだったので家事も子育ても半々で分担していましたが、また妻が仕事で家を空ける生活に戻ったので、再び娘といっしょに過ごす時間が増えていますね。
和田 お子さんのごはんもよく作っていますよね? インスタで拝見する朝ごはんがおいしそうです。

和田 もともとごはん作りは得意だったんですか?
西 結婚前はそれなりに料理を作っていましたけど、結婚後に「ペースが乱れる!」と妻に言われて以来、じつはやめていました。そのあと娘が生まれて、必要に迫られてまた「適当な感じでよければ」ということで再開しました。「適当な感じ」というのが大事です。
和田 「適当な感じ」とはいえ、結婚後に一度はやめていた料理も娘さんが生まれてから復活していたんですね。そのほかに、お子さんが生まれて変わったなと感じることはありますか?
西 決定的なのは生活リズムが変わったこと。ず〜っと夜型の生活だったんです。学生時代のバイトも夜勤、創作活動も夜やっていました。娘が新生児のころはこの夜型体質が活躍したんですが、今は夜型から朝型に。内面的な変化は自分ではわからないな〜。でも以前は、「日本の未来なんてどうなってもいいや!」くらいの気の持ちようだったのが、今は不思議なことに、日本の未来がどうでもいいという気持ちがなくなりました。なんなら、わが子が娘ということもあり、女性が生きやすい社会になったらいいなと。
和田 娘さんの存在で日本の未来を心配するようになったのは大きな変化! ちなみに「ああ、お父さんになったな」と感じた瞬間はどんなときですか?
西 生まれて初めて「抱っこ」したとき、ですね。無性にかわいいな〜って思いました。最近だと、外出の帰り道でぐっすり寝ちゃった娘を抱っこしてその重みを感じたときですね。くったりとしたあの湿った重さを感じながら、「お父さんになったな」としみじみします。あとはキッザニア、公園、プリキュアの映画など、子どもがいなければ訪れなかったところに行くときにも「お父さんになったな感」はありますね。
和田 日常の中で西さんが感じる「娘さんのかわいい重み」や「お父さんになった幸せ」が漫画の中でも、さりげなく描かれていますよね。作業をする西さんに寄りかかって甘えている幼子によくあるしぐさや、それを西さんが幸せと感じている空気が伝わってくるのも、この漫画の素敵なところだと思います。
